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2023.12.12

2024年2月22日から保険診療で使用できる肥満症治療薬ウゴービについて。

  •  肥満症治療薬であるGLP-1受容体作動薬のウゴービ(セマグルチド)が、2023年11月22日に薬価収載されました。薬価収載とは、厚生労働省が製造と販売を認めた新薬に価格を設定することで、これにより新薬は保険診療で使用できるようになります。そして、新薬であるウゴービは2024年2月22日に発売されることが決定しました。この発売はアジアで初めてであり、世界では6ヶ国目となります。ウゴービは、いままでは瘦身クリニックなどで自費診療でしか使用できませんでしたが、いよいよ一般的に使用されていくこととなります。
  •  しかし、肥満症の方がウゴービを直ちに使用できるかというと、そうではありません。厚生労働省は、GLP-1受容体作動薬の乱用を防ぐため、最適使用推進ガイドラインを満たす施設でのみの使用を想定しています。このガイドラインを満たす施設は、肥満症治療に関連する学会(日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会)の専門医が常勤している教育研修施設、つまり大学病院などの大規模な医療機関に限られる可能性が高いとされています。
  •  以上のことから、ほとんどのクリニックでは保険診療でウゴービを発売直後から使用することは難しいと考えます。当クリニックにおいても私は日本糖尿病学会専門医資格を有しておりますが、教育研修施設の基準を満たしていないため、現時点ではウゴービを処方できない可能性が高いと考えます。そこで、当クリニックでは肥満症患者さんに対してウゴービの使用が適切かどうかを判断し、必要であれば大規模な医療機関に紹介することを検討しています。また、現在、当クリニックの肥満外来で実施している食事療法・運動療法の指導、BMI 35以上の方の抗肥満薬(サノレックス錠)治療、糖尿病を有する方へのGLP-1治療などは引き続き問題なく継続していきます。