「プロテイン」という言葉を聞くとスポーツ選手やボディビルダーが積極的に摂る栄養素のイメージがあるかもしれません。プロテインの和訳はタンパク質です。タンパク質は体を構成する栄養素であり、性別や年齢、生活環境などにかかわらず誰にとっても重要な栄養素です。そして、近年は特に高齢者は食事からのタンパク質が不足しがちなため、プロテインを補助的に活用することが推奨されています。
目的①フレイル予防
フレイルは「虚弱」や「脆弱」などを表しており、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされています。つまり、言い換えると、健康な状態と介護が必要な状態の中間であり、適切な対応によって健康な状態に戻ることができます。
目的②サルコペニア予防
サルコペニアは加齢に伴って筋肉の量が減少していくことです。不活発な生活を継続していくことで、25―30歳頃には筋肉量は減少し始めると考えられていますが、適度なトレーニングによってサルコペニアの進行を抑制できると考えられています。特に高齢者では筋肉量の減少が進行すると立ち上がったり歩いたりすることが困難となり、転びやすくなったり、寝たきりとなる可能性があります。
(プロテイン摂取のPOINT)
①質のイイものを選ぶ(ホエイプロテインがおすすめ)
1回量が多いものは大変ですので、1回量が少なく、かつ体への吸収が早く、必須アミノ酸(体内で作り出せないので、食事から摂る必要があるアミノ酸)が多く含まれているもの。
②過剰摂取には要注意
過度なタンパク質摂取は肝臓や腎臓に負担をかけることがあります。ご病気のある方は主治医に相談しましょう。
③プロテインに頼り過ぎない
そもそも高齢者のたんぱく質摂取の基本は、バランスの取れた食事です。つまり、肉や魚のほか、野菜や果物などさまざまな食品を摂ることで、体に必要な栄養素を摂取できます。
(おわりに)
皆さまのご両親や周囲の方はいかがでしょうか?近年では高齢者の一人暮らしが増加しており、面倒な自炊でなく軽食で食事を済ませる方も多くいます。プロテインは軽い食事で不足した栄養素を補うために活用するのもおすすめです。高齢者の方々は「プロテイン」と言う言葉に、化学的なサプリ、マッチョのためのサプリというイメージをお持ちです。ぜひ、プロテイン摂取の意味と必要性を説明してあげましょう。
2025.09.22