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2021.10.18

コラム~本当はこわい脂肪肝~

脂肪肝。皆さんは肝臓に脂肪がたまりフォアグラ状態になったものというイメージをお持ちですね。現在、日本人の4人に1人が脂肪肝といわれています。従来は軽い病気と考えられてきました。しかし近年は脂肪肝が肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があり、さまざまな生活習慣病のリスクも高めることがわかってきました。

 健診での血液検査で肝機能異常、腹部超音波検査で脂肪肝の診断を指摘され、医師・保健師よりにより、お酒の飲み過ぎや油物の食べ過ぎを注意されている方も少なくないことでしょう。脂肪肝の主な原因は「肥満」「アルコール」「糖尿病」の3つとされています。実は日本人の脂肪肝の原因で多いのは、お酒の飲み過ぎではなく、食べ過ぎによるものと言われています。これを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます。NAFLDには、症状が軽く改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL)と重症タイプの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類があります。NASHは放置すると1割程度は進行し、数年以内に肝硬変、肝細胞がんへと進行することが知られています。また、NAFLもNASHに進行することがあります。
 脂肪肝の人が全員、重症化するわけではありませんが、早期に発見して、原因となる生活習慣や肥満を改善し、経過観察をすることが重要です。この1年のコロナ禍で外食や飲みの場は減ったのに自宅での間食が増えたり、より運動不足になり、体重が大幅に増えた方は要注意です。健康診断の血液検査で、GOTやGPT、γ―GTPといった項目がありますが、特にGPTが上昇しているときは要注意です。1度ご自身の健診データを確認してみましょう。